926人が本棚に入れています
本棚に追加
明け方近く、
柏木宅に詰めていた全員が浅い眠りに入りかけた頃、部屋に着信音が響いた。
誰よりも早く跳ね起きた柏木がスマートフォンを取る。
少し遅れて頭を持ち上げ、強く目を擦ったキセもスピーカーに耳を寄せながら、某国司令官からの連絡事項を聞き、同時に送信されてくるデジタルマップに片目を凝らした。
「おい、司令官は何て言ってんだ?
通訳しろ」
いつの間にかキセの背後に立った水無月も
同じく画面上の地図を凝視しながら訊いた。
「モバイルの発信地特定ができたそうですっ!
地図が示しているのは ここからフェルディナントファーマ社を挟み、車でおよそ1時間ほどの住宅街ですっ。
柏木社長っすぐに、、、っ」
画面から視線を上げたキセは椅子を倒して立ち上がり、口を開けたまま辺りを見回した。
「あれ? 、、、あれっ?
柏木社長は?」
最初のコメントを投稿しよう!