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永安…その中で肩があたったと怒り出した一匹の牛族が居た。
大声で怒り、傷だらけの兎の胸を突き押す。
兎は黙って牛族の大男を見上げた。
「何だその目は!死にてぇのかウサ公!」
大男が剣を抜き兎に斬り掛かると、兎はヒョイと避けて剣を持つ手を捻り上げ、大男は悲鳴をあげて剣を落とした。
間髪入れずに大男を投げ飛ばし、低い姿勢になった所に落とされた剣を拾い、起き上がり様反転して足を踏み込んで、剣を大男の首に向かって振り落とした。
堪らず大男は身を縮めて目を強く閉じたが、まだ生きているはてと目を開けると、兎の剣は喉元でピタリと静止しており、見下ろしながら兎は低く言う。
「喧嘩を売るなら、もうちょいと相手を選ぶ事だぜ。」
そうして剣を大男の首すれすれに突き刺すと、振り返らずにその場を去った。
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