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約束の始め
辺りが静寂に包まれた夜――その時間に、私は一人の男と会う約束をしている。
夜の公園に二人で……それが、私達の約束。ずっと続く、私達だけの約束。
待ち合わせの時間を夜にした理由は、別に仕事が忙しいからとか、時間が取れないからとかじゃない。もっと別の、とても簡単な理由。
……光が嫌なのだ、私は。
光は明るい、それは当然だ、でも。
明るいとそこには自然と人が集まる。人は明るい場所を好むから。
そうなったらもちろん雑音が生まれる、視線が生まれる。
私はそれらが嫌だから。だから光が嫌いになった。
それから私は夜に活動するようになった――だけど。
たまたま……本当に偶然に。
私は、彼に出会った。
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