4 本当に濱田課長ですか?

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「やあ、島本くん。夜分遅くにすまない」        課長が気まずそうな笑みを浮かべる。      とうとう精神がやられてしまったんだろうか。 「本当に濱田課長ですか?」 「ああ、そうだ」 「本物ですか?」 「当たり前じゃないか」      課長が苦笑を浮かべた。 「本当に?」 「うん」      課長が頷いた。      目の前にいるのは、どこからどう見ても私の知ってる課長だった。切れ長の目が収まった端正な顔つきも、低めの声も、私より十センチ身長が高い所も生前と何一つ変わらない。 「本当に課長?」      確かめるように課長の頬に触れる。柔らかな肌の感触があって、温もりがあった。      熱い気持ちがこみ上げて来て涙が溢れる。 「課長……」      課長に抱きついて泣いた。
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