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3話 暗黒騎士は装備を整える
「此処は武器屋だ」
エレナさんとキャティアさんに連れられて武器屋に来た。
「キャティアさん」
「キャティで良いにゃ」
「じゃあキャティ、貴女の職業は何?」
「私はにゃ〜、双剣士にゃ」
へ〜、二刀流で脇差位の長さの奴ね。
「ヘルブラム、此奴等に特注品を作ってやれ」
「あいよ、姉さん」
「「あ、姉さん!?」」
「此奴はヘルブラム。七つの龍紋の1人だ。姉さんって言うのはヘルブラムだけだ」
ヘルブラムさんはドワーフの髭もじゃの叔父さんで笑顔が素敵だ。
「注文するにゃ」
「私は剣では無くて杖なんです」
「俺は黒い刃で片手剣より細くて少し長い剣を2本お願いします!」
「あいよー」
「では、次へ行こう」
武器屋を出て、隣の防具屋に入る。
「いらっしゃいませ。あら主様」
「彼女はナーザ。同じく七つの龍紋の1人」
「好きに見て回れ」
「「はい」」
俺は歩いて直ぐに一式の防具に見惚れてしまった。
全身真っ黒で周りに金色を加える事で美しさを増してある全身鎧。
まさに俺の欲しい物だった。
「あら、其れ気に入ったの?」
「えっ!?な、ナーザさん!?」
「私の職業は忍者よ」
「は、はい。気に入りました」
1つ分かった事がある。
其れは此の人を怒らせてはいけないという事だ。
確実に殺される。
「こっそり持って行きな。其れは無料であげるよ」
「ありがとうございます」
〈ロストダークアーマーシリーズをアイテム化し、アイテムボックスに入れました〉
へぇ〜、凄い機能だなぁ。
他の所も見に行って何も買わないと怪しまれるのでブラックライトアーマーと言う動き易さ重視の装備を購入した。
ユーシィは黒いローブを買っていた。
「今日の買い物は此処までだ。明日の10時に組合のギルドルームに集合だ。ギルドルームは受付に聞けば分かる。杖はギルドの腕利きにやらせておく。あと、明日の9時には剣が出来るそうだ」
「色々ありがとうございます」
「明日も宜しくお願い致します。マスター」
ギルドマスターのマスターで読んでみた。
エレナさんは笑って返事を返す。
「マスターか。良い呼び名だ」
そう言われて別れた。
宿を借り、2人で温泉に出掛けた。
「どうする?」
「其れは勿論混浴」
「だよな」
そうして、混浴の門をくぐった。
服を脱ぎ、湯浴みをしてから湯に浸かった。
「「ふぁ〜」」
気持ち良くて自然と出た言葉が綺麗にシンクロした。
「「ははは」」
露天風呂に入ったのは初めてだった。
夜の月がより一層美しく見えた。
ふと言葉が思い付く。
良い言葉だから其の儘、暗黒騎士の名前に使おうと決めた。
「暗黒騎士の名前は月光」
「サージにしては良い名前だと思うわ」
俺との隙間を詰め、抱き付いて来て、頬にキスをする。
おい、今裸で公共の場に居るんだぞ。
でも、正直嬉しかった。
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