月光

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追いついた。 そう思った時には、動いてる光。 時折雲で隠れ、見失う光。 もしかしたらあの時、綺麗だが儚い――そんな光に惹かれたのかもしれない。 そして僕はついに、追いついた。 僕はその光――月光――に中に入ることができた。 光を浴びると、力がみなぎってくるようだった。 現実では感じることのできない小説の中だけの表現だと思っていたが、その時、その言葉の意味を理解した。 その言葉をそっくりそのまま体験した。 感じた。 そこからの記憶はない。 そのあと、どうやって家に帰ったのかも、帰って何をしたのかも、何も覚えてない。 朝起きても、昨晩のことが嘘かのようだった。 まるで夢のようだった。 もしかしたら本当に夢なのかもしれない。 そう思いながら、また日常が始まった。
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