364人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
「うん、ん、ふぅ」
胸の小さな突起を口に含まれ、歯列同士で軽く挟みながら、舌で舐め上げられる。
何度も、何度も、舌で、歯で快感を煽られている間に、口から引き抜かれた草悟の少し節くれだった濡れそぼった指が、紬の最奥でひっそりと閉じている蕾をするりと撫で、ほんの僅かに圧迫する。
「んんぅ」
眉をよせ、頬を紅潮させた紬を見下ろした草悟が、愉しそうに笑う。
「可愛い顔」
蕩けるようなキスを繰り返され、後口の入口を徐々に、押し開かれる。
紬は四肢を震わせ快感に耐えるが、暴走仕掛ける自身を抑える自信はなかった。
「ほら、紬、飲み込めよ」
少し乱暴にそこへ指を突き入れられる。
「ん、んん、ぅん」
必死に唇を噛み締め、声を漏らさないようにと悶える姿が、更に草悟を煽っていることになど、気付いていない。
「はぁ、ぁ、草悟、声、漏れそ」
草悟の首元へ腕を巻き付け、耳元へと唇を近づける、更に密着した二人の体の間で、お互いの熱が膨れた。
「それ、煽ってるだろ、紬」
「い、ん。そんな、こと、な」
低く蕩けた声にさえ反応し、ヒクつく入口に、遠慮なく指が増やされていく。
「ふ、うう」
草悟は紬の後ろを丁寧に慣らしながら、小刻みに中で震わせ、ポイントを探している素振りを見せる。
「んぅぅううう」
ずるっと、そこを草悟の指が掠めた。
「ここ、だな」
体が絞れる快感に紬が苦悶の表情になると、草悟は安堵したような、意地悪な子供のような顔をした。
「やん、うぅ、あぁあ、草悟それ、ヤメ」
「ヤメテ」と繰り返す紬は、背中を弓形にして、草悟の指から逃れようとするが、彼はちっとも許してくれず、更にそこばかりを突いてくる。
体の内側から止めどなく溢れる快感に、とんでもないコトを口走りそうで、紬は怯えたように、いやいやと首を振った。
「そんな仕草も、可愛いだけだし」
過ぎる快感と、逆上せるほどの熱に、紬の体が限界を訴えて、ビクリ、と硬直する。
「一度イっちまえよ」
抗えない熱が溜まる楔まで握り込まれ、声もなく悶える。
「ふんんん」
一気に煽り立てられた紬は、呆気なく果て、熱い白濁で草悟の掌を汚した。
暫くの間、解放の余韻でピクピクと体が跳ね、その度に、艶の含んだ吐息を漏らしてしまう。
「気持ち良さそうだな、紬」
耳元で笑みを含んだ囁きに、朱に染まった頬をして紬はソッポを向く。
体が痙攣したように反応している最中も、草悟は紬の体を抱き締め、時にキスをしながらも、ずっと蕾を撫で解していた。
「そ、ご」
もう限界だった。
誘うように、草悟に触れた。
掌が焼けるように熱く、大きなそれが自分の中に入り切るかと、少し不安になる。
「入れて良いのか」
草悟の確認に、紬は小さく、しかしはっきりと頷いた。
欲しかった。草悟が。
ずっと、昔から、自分の物になれば良いのにと思っていた。
紬はサイドボードから、専用の潤滑ジェルを取り出すと、草悟に手渡した。
「こんなのが出てくると、やっぱお前もやったコトがあるんだなと思うわ」
手に取りだしながら、草悟はまじまじとジェルを眺めている。
「引いた?」
少し心配になって、上目づかいで見上げた紬に、草悟は「まさか」と笑って首を振る。
「何も知らないでヤッちまったら、紬を悲惨な目に合わせそうだと思ってた所だったんだ。だから、助かる」
草悟はそう言うと、再び体を重ねてきた。そして、顔が見えないくらい近づくと、耳元でそっと、本心を見せた。
「でも、ちょっと、悔しい」
「悔しい……って」
そのままの状態で、後口にジェルを塗り込まれる。
「紬の最初が、俺じゃなくて。悔しい」
草悟の手で捏ねられていたジェルは、ほど良く彼の体温を吸っていて、紬の中で素早く馴染み、本来、湿る程度のそこを、溢れるほどに潤していく。
「そんなの、草悟も俺が初めてじゃなくて、悔しいよ」
お互い様だと微笑み会って、キスを交わした。
最初のコメントを投稿しよう!