拝啓 私の後輩へ

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拝啓 私の後輩へ 今まで、私についてきてくれてありがとう。 厳しいことを言ったこともあったかもしれないけど、あなたを傷つけようとして言ったわけではないことを、分かってほしい。 大変なこともたくさんあった。一番つらかったのは、箱の中に体を投げられたとき。あの人たち、私たちのこと考えずに、ポンポンポンポン投げるんだもん。体が痛いったら、ありゃしない。 それに、投げられて終わりじゃなくて、私たちが寝そべってる上にもどんどん降ってくるんだもの。あの時だけは、後輩のあなたの前でも泣くかと思った。 でも、あなたとなら、どんなことも乗り越えられた。 大量の水をかぶっても、箱の中にぎゅうぎゅう詰めにされても、大きな車の中で長時間揺られ続けても。そこが寒くても。 昨日で、私は終わるんだと思った。だけど、選ばれなかった。 あなただけが選ばれた。行ってしまった。だから、あなたがこの手紙を見ないことも知ってる。だけど、書いてる。 あなたは今、私が知っているあなたの姿とは違う姿となって、生きてるのでしょう。体を切られた?痛かったでしょう。熱せられてるなら、やけどもしたはずよ。それにいろんな色や匂いのある液体をかけられて。あなたの鮮やかなオレンジ色の体にしみこんで。 代われるものなら、代わってあげたい。だけど、もう間に合わない。 本当にごめんなさい。 そして、私は誰よりもあなたのことを思っていることを、忘れないで。                    選ばれなかったあなたの先輩                          ニンジンより
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