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手紙
家に帰るなりルカは、人形に「お婆ちゃんポスト」と名前をつけ、亡くなった祖母への手紙を書き始めた。人形の口元には、ハガキが入るほどの細長い隙間がある。
なるほど。それで「お婆ちゃんポスト」か。リツコは、子供の発想に感心した。
その日から、ルカは毎日、亡くなった祖母へ手紙を書くようになった。そして、楽しそうに言うのだ。
「お返事、来るかなー?」
しっかりしていても、ルカはまだ幼稚園児。本当に、この人形が「あの世」と繋がっていると信じているようだ。リツコは、そんな娘の行動を可愛らしく思った。
(でも、毎日手紙を入れたら、いっぱいになるわよね……?)
中身がいっぱいになって、人形が割れてしまったら。ルカはどんなに、傷つくだろう?
リツコは娘が寝静まるのを待って、人形を調べてみた。人形の頭と体は、はめ込み式になっており、中は空洞になっているようだ。試しに軽く捻ってみると、すんなりと人形の頭は外れた。
中の手紙を確認する。毎日娘のルカが何を書いているのか、少し興味もあったから。
……だが、手紙の内容は、リツコの期待を大きく裏切る物だった。
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