アンダーシーレター

海に溶けた想い

翌日。よく晴れた空。私は早起きをして海へ向かいました。
今日の海はとても穏やかでキラキラしていて眩しくて。温かくて。

スキューバダイビングの機材を背負い、海に潜り水深10mの真っ赤なポストの元へ。
私は手紙を持ったままポストの前で両手を合わせました。
貴方へきちんと届きますように。
手紙をポストに入れ、海から出ようとゆっくりと水面へ上がっていきます。

青い水中の中まで陽の光が差し込み、とても幻想的な風景でした。
あぁ、貴方とこの景色を見たかったな。水中マスクの中で少し涙ぐんでしまいました。
これで本当にさようなら。今までありがとう。

それから３日後。
水中ポストに投函したあの手紙が私の家に戻ってきました。

何も書かれていない真っ白な白紙の手紙。
宛先は油性ペンで書きましたが、実は本文は水性ペンで書いたのです。

海の中に届いたかな、私の最後のメッセージ。