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「うーん、何というのかな?こう、前衛的?」
藤原は少し後退ると、首をかしげた。
まあ、餃子といえば餃子か。
横からしゃっくりのような不思議な音が聞こえるので見ると、
吉祥が腹を抱えて爆笑していた。
「先輩、コレ…コレはやばいっしょ…笑い死ぬ…」
わからんでもないが、そんなに爆笑するほどか?
栃木県の玄関口、宇都宮駅西口に設置されてるのが、この「餃子の女神像」である。
美の女神、ヴィーナスが餃子にくるまれた姿を模したものだそうだが、
なぜヴィーナスが餃子にくるまれなければならなかったのかは不明である。
笑いの発作から解放された吉祥は、今度は何を思ったか像を拝み始めた。
「おいおい、やめとけって!何が憑いてるかわからんぞ。」
「いや、なんというか、ここまで神々しいと拝みたくなりません?」
どうにも独特な吉祥のセンスについていけず、
藤原は苦笑いした。
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