厄神蒐集家 (3)〜シカトさまの禁足地

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「うーん、何というのかな?こう、前衛的?」 藤原は少し後退(あとずさ)ると、首をかしげた。 まあ、餃子といえば餃子か。 横からしゃっくりのような不思議な音が聞こえるので見ると、 吉祥(きっしょう)が腹を抱えて爆笑していた。 「先輩、コレ…コレはやばいっしょ…笑い死ぬ…」 わからんでもないが、そんなに爆笑するほどか? 栃木県の玄関口、宇都宮駅西口に設置されてるのが、この「餃子の女神像」である。 美の女神、ヴィーナスが餃子にくるまれた姿を模したものだそうだが、 なぜヴィーナスが餃子にくるまれなければならなかったのかは不明である。 笑いの発作から解放された吉祥は、今度は何を思ったか像を拝み始めた。 「おいおい、やめとけって!何が憑いてるかわからんぞ。」 「いや、なんというか、ここまで神々しいと拝みたくなりません?」 どうにも独特な吉祥のセンスについていけず、 藤原は苦笑いした。
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