【12・エピローグ】

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私は… Aさんの肩にそっと手を置きました。 すると…彼女は、 「常夏さん…あのね。 今晩、これから飲みに行かない?もちろん、私のオゴリで! チャコちゃんの冥福を一緒に祈って欲しいんだよね」 と、言って来たではありませんか! 私も、もちろん、大賛成です! 「よし!行きましょうか!今夜は、どこまでも付き合うわよ。でも、ちゃんとワリカンにしようね」 「うん。それでこそ常夏さん!あなたは私の大切な仲間だよ」 「それは、光栄です」 私とAさんは、笑い合いました。 Aさん…。 これで、あなたも… これから前を向いて生きて行けるね…。 それと、チャコさん…。 天国からAさんの事を… これからも、優しく見守ってあげて下さいね…。 「でも、Aさん?」 と、私はちょっとおどけて言葉を続けます。 「案外、チャコさんさ。 今頃、天国で好きな女の子に出会って、告白しようと頑張ってたりしてね!」 そう。 『どんな世界』に、いたって… 人は、誰しも『目標』と言う物を持つべきだ…と、私は思います。 『人は、誰しも人生の目標と言う物を持つべきだ。 それによって日々の張り合いが生まれて来る。 例え、それがどんな目標でも構わない。目標を持つのは良い事だ』 と、まあ… このフレーズは、私が事有るごとに自分のエッセイの中で書いている一節なんですが…。 すると、Aさんは 「アハハ。案外、そうかもね! 生前のチャコちゃん、結構、人見知りな性格だったから…天国では、頑張って好きな子に告白して欲しいな」 と、言った後に、 「でも、だとしたら… ちょっと、ヤケちゃうかもなぁ。私」 そう言うと、Aさんは… 目の端に残った涙をそっと指でぬぐいながら… 今度こそ、にっこりと 優しく、私に微笑んで見せたのでした。 「チャコちゃん…。 天国で、安らかにね……」 ~END~
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