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食事を終えて夕飯の後片付けが終わると、アタシはまた部屋の整理を始める。アクセサリーや化粧品などの細々としたものはどこに置くかが問題だ。ある程度使いやすい所に置いてないと、毎日の準備が億劫になる。
そうだ、机の上にさるぼぼの赤ちゃんのベッドを置こう。丁度いいサイズの小物がどこかに売ってないだろうか?
片手でさるぼぼをころころ転がしながらスマホで検索する。うーん、ドール用でも大きさがよく分からないなあ。
「まだそればかり見ているの?透子の片付けが終わらなくて、明日買い物に行けなかったら僕は怒るからね?」
いきなりドアを開けて立っている瑞樹から声を掛けられる。鍵は何にも意味を持たないからかけることを止めた。
「ちょっと、ノックくらいはしてもいいでしょ?」
「どうせ、いつかはそんなこと必要なくなる関係になるんだ。今のうちから慣れておいた方が良いだろ?」
それはそうかもしれないけれど、まだそのいつかは来ていませんよ?アタシはこれから瑞樹のマイルールに馴染まされていくのかと思うとなんだか怖いわ。
「で……何の用なの?」
さるぼぼは机の上に置いて瑞樹の傍に行く。
「うん。お風呂を沸かしたから、透子と一緒に入ろうかと思って。せっかくの同棲初日だしね?」
「一緒に!?」
ニッコリと微笑む瑞樹だけれど、冗談よね?今日は疲れてるしアタシはゆっくりと一人で入るのが好きだし……何より明るい所で肌を見せるのは、まだまだ恥ずかしい。
想像してしまったので、今はきっと顔が赤くなっているはずだ。
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