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168cmの身長以外は高学歴高収入の良い男だと思うけれど、性格がねじくれまくって可愛くない。
瑞樹の笑顔なんて何年見てないだろうか。
「アタシに素敵な王子様が見つかれば、瑞樹に迷惑をかけることも無くなると思うのよ!ねっ、協力してよ。」
手を拭いてソファーに座り直す瑞樹の横で一生懸命頼む。とにかくアタシは王子様に出会いたいのだ、今すぐに。
「頼むって言われても……キスもまともにしたこと無い透子に出来る事って何かあるの?僕の言う通り誰かと1からきちんと付き合えば、その人が王子になるよ。」
瑞樹の言っていることは分かる。瑞樹の言うことはいつも正しいと頭の中では理解してる。だけど……
「誰かじゃいやなの!背が高くてクールで頭が良くてアタシにだけ優しくて…そんな人じゃなきゃ王子様なんて呼べないでしょ?」
私だって理想がある。誰でもいいわけじゃない。そうじゃなかったらこの年までバージンなんて残してない。
そう……アタシ、柴山 透子26歳はまだバージンなのだ。
「はあ、本当に馬鹿馬鹿しい。それならそういう人を透子が見つけて告白しに行けばいいだけの事だろ。子供の頃じゃないんだから一々僕を巻き込まないで欲しいね、酒がまずくなる。」
瑞樹の辛辣な一言にさすがのアタシも挫けそうになる。同じ会社に勤めてる幼馴染を助けてやろうという気は起きないのね?
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