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「アタシから告白するの!?お姫様は待っているだけで王子様が来てくれるのに?」
自分でもバカげたことを言ってるとは思う。でもアタシは瑞樹以外の男の人とは仕事以外ではほとんど話したことも無いのだ。いきなりハードルが高すぎるよ。
「透子は恋愛に対して受け身すぎるんだ。会社の女の子達がイケメン課長を見る様子を見てみてごらんよ、まるで獲物を吟味してる猛獣だ。あそこまでしろとは言わないけれどある程度は自分で動いてくれなきゃ協力のしようがないだろ?」
そんなこと言ったって……瑞樹が連絡先聞いてくれたりしたっていいじゃない。そういってぶつぶつと文句を言ってると、瑞樹が盛大な溜息をついた。
「練習なら付き合ってあげるけど?」
アタシは床にペチャンと座ってるから、ソファーに座ってる瑞樹を見上げる。そこには相変わらずの不機嫌そうな瑞樹。
「練習?なんの?」
告白の練習でもしてくれるんだろうかと思い聞き返す。
「キス。」
「へ?」
瑞樹の一言で回りの空気が何度か下がったような気がした。今瑞樹はなんて言った?アタシの聞き間違いだろうか、最近疲れていたからね。
「だからキスの練習なら僕が付き合ってあげる。」
表情を全く変えずに凄いことを提案してきた瑞樹にただただ驚くしかなかった。
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