02 綾斗とプログラムの神様2

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02 綾斗とプログラムの神様2

「一生一人でもいいってわけ? 一人でこれからどうするの?」 「プログラムやる」  何も考えずに、その言葉が出てくる。今の自分の仕事だ。  高校を卒業してから今まで三年、派遣でプログラマーをやっている。 「一生仕事するってこと? オメガが働いても、給料上がんないよ?」 「別に、今のままでも食べていけるし」 「ぎりぎりで、でしょ」  その通りだった。給料はそれなりだと思うが、一人暮らしだとやはりきつい。現状、ほとんど貯金はできていなかった。 「そんな生活続けても先がないよ。アルファかベータと結婚して、子供産む方がよっぽど現実的」  それもその通りだった。  加宮は現在、大学生だ。大学まで行かせてもらえる男オメガは少ない中、四年制大学に行けているのは、加宮の親に理解があり、経済的余裕があるおかげだ。そんな加宮でも、卒業するまでには相手を見つけて、結婚するつもりでいる。  若いうちに子供を産んで、子育てを通じて社会の一員となる。それを否定する気はない。むしろオメガとして立派であり、周囲に望まれる生き方だと思う。  ただ、その選択肢しかないと息苦しい、というだけのことだ。無理なく結婚、子育ての道を進めるなら、それに越したことはない。  自分は無理だろうけど。 「でも……ちょっと羨ましいかも」  ぽつりとそんなことを言われ、綾斗は軽く目を瞠った。 「そこまで言える仕事に就いてるんだよね、綾斗は」  そう。  そうだ。  改めて思うと、自分でも驚く。一生続けたいと思う仕事を、今、自分はできているのだ。  以前からそうだったわけではない。
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