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「納期は、二週間程度見て頂ければ確実かと思います」
「再来週の週末か……まな、土日のどっちか、大丈夫?」
「うん。どっちでも良いなら、土曜日が良い」
土曜日だと夜遅くなってもゆっくり出来るし、一日でも早く着けたいし。
「では、受け取りは土曜日でお願いします」
土曜日、またゆきと会える。
ここまで一緒にお出掛けできる。
何着てこようかな。またちぃちゃんに、相談しなきゃ。
再来週の土曜日に、指輪を受け取って……はめてもらえるのかな、さっきみたいに。
「ゆき?」
「なに?」
「どの指にはめる指輪に決めたか、憶えた?」
「へっ」
山本さんが支払い手続きに行ってしまって、待ってる間に両手を広げて、ゆきの前に出してみる。
「えっと……これ?だっけ?」
……ゆき。
さっきより物凄い大間違いしちゃってるよ……!!
それは、十本全部の指の中で、一番取っとかなきゃいけない指だよ……!!
ゆきって、結晶やなんかは大好きなのに、向かい合ってる相手の指の場所とか意味とかは、大苦手なんだね……。
「……城山様。」
「はい?」
なんて説明したら良いんだろって思っていたら、安斎さんがゆきの側に来た。
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