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「北浦様に、指でハートを作って頂くように仰ってみて下さい。」
「へっ?ハート?」
「ハート?」
言われて、反射的にハートを作る。
「そのハートの尖端の城山様の利き手側の指が、指輪をご注文なさった指です」
ゆきは、左が利き手な動作もあるんだけど。
「これ?」
「はい」
ちゃんと右手で、正しい指を指差せた。
「そうか、ハートかあ……!ありがとう、安斎さん!!」
「とんでもないことで御座います。お役に立てて光栄です」
嬉しそうなゆき、にっこりする安斎さん。
こんなことで、和解成立……?
……男って、なんなの。
「お待たせ致しました」
山本さんが、戻って来た。
私は慌ててハートを崩す。
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