今年、二十歳になるんです……けど。【続編予告小話】

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 そよそよと気持ちの良い風が吹いてくる、五月のある日。 「あー……可愛いなあ……可愛い……」 「ゆき。それ、何度目?」 「梨香ねぇ、ごめん……私も、かわいいしか、言葉が出ない……」  壊れた機械みたいに、リピートを繰り返すゆき。  ゆきをいじりながらも、顔がへにゃへにゃな梨香ねぇ、そして私。  分かる。分かりすぎる。  ゆきの気持ちも、梨香ねぇの気持ちも、分かりすぎるよ……!!  私達はちぃちゃんちに、生まれたての赤ちゃんを見に来ているのだ。  あんまり人が多いとびっくりするだろうってことで、春香達が学校の平日を狙った。私と梨香ねぇは平日の空き時間を使ってるけど、ゆきなんか一緒に来たくて休みまで取った。  いとこ水入らずでどうぞって、自営業なのに半分自主的に育休中のだんなさんは、仕事に行っているらしい。でも多分何か有ったら飛んで帰ってくるだろうって、ちぃちゃんは笑ってた。 「こんなに大人が囲んでるのに泣かなくて、いい子でちゅねー」 「ゆき、口調が不気味。」 「あはは、大丈夫だよー?四人目だからかなぁ、うるさくしても、全然平気」 「大物だねー、りょーうくーん♡」 「梨香姉。アイドルのライブじゃ無いんだから、その呼び掛けやめて……りょーくんすっかりおばちゃんやお姉ちゃんのおもちゃでちゅねー」 「……それ、誰のこと?」  梨香ねぇがゆきをじとっとした目で見る。  梨香ねぇとゆきは、年の差が春香とりょうくんに近いんだよね……なるほどー。将来、こうなる……のかな? 「男の子って、女の子と違う?」  すっかりベテランママさんのちぃちゃんに聞いてみる。将来の参考に……なーんて。  「んー……性格は、その子その子の個性の方が、差が大きいかなー。絶対的に違うのは、オムツ替え。」 「ああ……」  一同、納得。  そりゃあ、そうだよねー。  
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