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「みんなは、何か変わったことは?まなは、何年生になったんだっけ?」
「二年生。今年から、実習とかちょっとずつ増えるんだよー」
「まな!絶対ウチから通おうね!!」
「ゆきは、またそれだ……まな?まなが楽な様にして良いんだよ。キツい時だけ泊まったって良いし」
必死なゆきと、呆れる梨香ねぇ。
二人とも私のことを思ってくれてるのは、同じ。
「ありがと。けど、お父さんが一人になっちゃうから」
「尚さんだって、きっとそうしろって言うと思うよ!うちには余ってる部屋が有るんだし、都心に近いし……まなに長距離通勤なんて、俺、絶対させないから!」
「だね。前みたいに」
「梨香姉」
梨香ねぇが何か言おうとしたのを、ゆきが半分「悪いゆき」な声で、遮った。
多分、梨香ねぇが言おうとしたのは、前に電車ですごく嫌な目に遭って、ゆきに助けて貰った時のこと……だ。
「ごめん、ゆき」
「俺じゃ無い」
梨香ねぇが珍しく素直に謝ったのに、ゆきはぴしりと冷たかった。
「……ごめんね、まな」
「ううん。心配してくれてるって、分かってる。ありがと、梨香ねぇ」
「そうだ!まなが二年生になったってことは、二十歳になるってことだよね?」
ちょっと変な空気になっちゃったからか、ちぃちゃんが違う話を振ってくれた。
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