プロローグ

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3世界を創りだした神、ハクコクジュ。 世界に異変をもたらし始めたハクコクジュが、世界に我が子を生み出す。 眩く柔らかく温かい光が満ち、包み込むように円を描くその光は、徐々に小さく濃密に温度を高めていく。 太陽のような眩しさを放つ光は、そのまま静かに渦を巻く。 どれほどの時が流れたのだろう。 ゆっくりと渦巻いていた光が、空気に溶けるように解かれていく。 まるで光の卵。 その中心には、黒く長い髪が靡き、一人の青年の姿があった。 膝を抱えるように蹲る青年は、光に抱かれるようにその姿を現す。 ゆっくりと開くその瞳は、吸い込まれてしまいそうな漆黒の大きな瞳。 「お母さん、おはよう」 にっこりと笑った青年は、とても嬉しそうにハクコクジュに挨拶をする。 長い髪は一つに纏められ、青年はその場に舞うように降り立つ。 ハクコクジュ(世界)の力を受け継ぐ青年の名は、 『ゼノ=クロノム』 ゼノはハクコクジュに一度抱きつくと、瞳を閉じた。 「大好きなお母さん、行ってくるね」 そう口にすれば、ゼノの体が再び光に包まれる。 そして、次の瞬間、ゼノはハクコクジュの前から姿を消した。 可愛い我が子を、人として生み出したハクコクジュの目的は、世界とゼノ=クロノムしか知らない秘密。 世界創生の神は、我が子に何を託し、何を望むのか? ゼノ=クロノムの真の目的とは? 目的が果たされ、ゼノが再びハクコクジュに出会うとき、そこにあるのは【希望】か、それとも【絶望】か、まだ誰も知らない歴史である。
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