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あなたの言葉
今も思い出すの、あなたが言ってくれた言葉
君は特別だよ
ピュアなところがホントに好きなんだ
一日ドライブして
いい感じと言って車を止めた高台
丁度、額縁フレームの中に海が描かれているような場所だった
月明かりの下で暗いはずの海がキラキラ光っていた
肩を抱いてくれて
そのまましばらくその景色を見ていたね
あなた: 静かだね
わたし: うん
あなた: このままここでふたりだけで式を挙げない?
わたし: えっ?
あなた: いや?
わたし: ううん
あなた: じゃ
あなたは私の手を取り
僕は中村えみさんを一生大事にします。
誓います。
と、言ってくれた
わたしも誓いたい
わたしは町田翔さんをずっと大好きでいます。
誓います。
キスをして、ふたりだけの結婚式を挙げたね
忘れられないあの日
あの日から何年経ったかしら
あなたが言ってくれたあの言葉だけで強くなれた
あの日のわたしは今もここにいる
うまく言えないけど何かに守られているような
あなたにもう聞くことは出来ないけどきっとあなたもそうでしょ
今なら涙もろくなったあなたの方が泣くかも知れないね
わたし: あの日、わたしに言ってくれた言葉、あなたは覚えてる?
あなた: ・・・あぁ、ピュアなところが大好きだってやつだろ
わたし: うん
あなた: あんな一言でも、覚えていてくれること自体、やっぱり君はピュアってことだよ
なんて
わたしの想像だけど
あなたの手を取り病院の窓からコスモスが咲く丘を見ているわたし
あなたは、もうずっと眠っていて話してはくれないけれど・・・
もう一度
あなたに言ってほしいの
久しぶりに行ってみようよ
"あのふたりの結婚式場へ"
って
そしてあなたからキスをして欲しいの
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