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2.シンクロニシティ信奉者
東京拘置所は、法務省が管轄する収容施設である。
主に審議中である刑事裁判の被告人――未決囚と言う――を一時的に拘留させたり、死刑などの懲役刑以外の刑罰を受ける囚人が滞在させられたりもする。
所在地は東京都葛飾区小菅。ゆえに通称は『小菅』や『東拘』などと呼ばれる。
白亜のビルが壮麗に建ち並ぶ外観は、上空から俯瞰すると一つのマークに見える。その佇まいはとにかく厳粛で、訪れる者を自ずと緊張させた。徳憲は刑事として何遍もここに足を運んだことがあるが、そのつど身が引き締まる思いだ。
いかなる場合も、訪問理由はただ一つ――囚人との面会である。
(結局、穂村管理官は来なかったな……)
――徳憲くんと忠岡の二人で行くと良いだろう。
穂村はそう述べて、自らが出向くことはなかった。無理もない、さしもの穂村も外出に付き合うほど暇ではないのだろう。管理官は一つの部署を束ねるリーダーだし、科捜研は元来、どこも多忙なのだ。
「とゆーことで、あたしと忠志くんだけで来ちゃったんだけどー」
「何ニヤニヤ笑っているんですか忠岡さん」
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