仁宮町神隠し

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仁宮町神隠し

仁宮町神隠しというものがあります。 人間が、ある人突然姿を消す。物理的に不可能であるのに、何処にも姿が見当たらない。故に、神が連れ去ったのだと考えた人々は、これを神隠しと呼んでいます。 その神隠しは、私の住む街で起こると噂になっていました。 7月の下旬に、気温が32度を超え、男子が2人、女子が2人の計4人が、仁宮神社の境内で目を瞑り、丑三つ時を迎えた時。神隠しが起こる。それはご近所の間でも話題に挙げられていました。 そんなものはデタラメであるとか、迷信であるとか、賢い方々はおっしゃっていますが、この神隠しは目撃証言も多く、この身で体験した方もいるとのことです。 そして、好奇心旺盛な、神の使いのような子どもたちは、そんなおもしろ話を見逃すはずもなく。 「さぁ、茜達で解き明かすよ! 神隠し! みんな、茜に付いてきて!」 愉快な子たちが、半ば強引に、お母さんには内緒で、神隠し解明に乗り出すことになったのでした。 Q.この4人の中に私がいます。だーれだ。
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