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私のせいで、好きな部活が、憩いの場が、なくなってしまう。
「志帆ちゃん、私らだって、楽しく一生懸命部活してきたんだよね。だから、上に上がれる逸材? を見つけたからって、それがマキでも急にその人中心にって、受け入れがたいのは承知の上なの?」
昨日主役を務めた寧々ちゃんだ。つんとしているけど、お芝居に妥協は一切しない。
「もちろん、承知してるよ。部員の数だって減るだろう、て覚悟もある。でも、マキちゃん主役はどうしても譲れない」
「……どうしてマキなの」
「それは……見たから」
「……っ!」矢で射ぬかれたら、こんな感じで、一瞬で走馬灯が走り去るのかな。
ドラマや本では、走馬灯の下りを長く尺を使うのに、実際はほんの刹那の出来事だったんだ。
声にもでないまま、その人生の幕を閉じた――。
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