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クリスマスデート。
それは男女のみのものじゃない……。
なーんてよくわからない事を考えながら浮かれた足取りで歩く。
待ち合わせはこの間と一緒の午前11時。
今は10時半。
駅で待ち合わせかツリーの下で待ち合わせか、でツリーの下になった。
余計にデートっぽくて、きっとそんなつもりもないであろう渋谷にドキドキする。
ツリーの下で、気の早いライトアップを眺める。
電気代、平気なんだろうか。
……まあ、儲かるんだろうな。
でも、きれいだ。
ロマンチックな気分に染められていく。
「おーい、ごめん、待ったか?」
「へっ?」
「ほら、冷えてんじゃん。待ったでしょ」
渋谷だった。
僕の冷えた手をとり、にこっと王子様のようなイケメンスマイルを僕に早速プレゼントしてくれる。
好き。
なにこれ、夢じゃん。
夢オチ確定じゃん。
だって、なんだって。
なんだってこんなに彼は格好いいのだろうか。
ああもう、惚れても惚れてもまた惚れ直すんだ。
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