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「どーした、やっぱ寒いだろ」
ふわっとした感触がして、首に何かが巻かれる。
良いにおいがする。
どこかお日様のような。
え？
これって……。
「あったかいだろ、それ」
「う、うん」
「それつけとけ」
「え、いいの？」
だって、これは渋谷のだ。
そんなの、つけちゃだめだろう。
下心満載で顔をうずめちゃうような僕には。
だって、渋谷がさっきまでつけてて。
渋谷のにおいがするんだ。
渋谷が抱きしめてくれてるみたい、なんて乙女なことを考えてしまった。
だって幸せすぎやしないか。
渋谷のマフラーに顔をうずめて、渋谷と歩けるんだ。
「いいよ、そのほうがあったかいだろ」
うん。心も体もあったかい。
「……ありがと」
ああほんと、好きだなあ。
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