1539人が本棚に入れています
本棚に追加
/283ページ
「え、おーいどうした?」
「あっいや、なんでもない!!ごめん」
不思議そうに覗き込む渋谷に心拍数が増す。
近い。
ドキドキしてごめん、女の子でもないのに。
そう、と納得した渋谷は続きをまくし立てた。
「推しなんだよね、この子。一生懸命だし、一途なとこがマジ最高」
その興奮の仕方というかテンションの上がり方は確かに推しを語る人のそれだった。
「そうなんだ、かわいいもんね」
「そそそ!!しかもさ、もーたまーに素直になるのがかわいいんだよな!!ゆうこちゃんはマジかわいいし、尊い」
「へーそうなんだ。……巨乳が好きなの?」
ぶはっと渋谷が吹いた。
笑ったまま首を振る。
「まさかw推しは貧乳でもかわいい」
いや、そこが聞きたかったわけじゃない。
巨乳は絶対なれないなって思っただけ。
どんな子が好みなのかなって……。
でも何かのスイッチが入ってしまったらしい渋谷はまた語りだした。
それは、僕にとって意外な台詞だった。
最初のコメントを投稿しよう!