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ハンバーガーをかじりながら渋谷の話を聞く。
「俺、なんかチーズ無理なんだよな、なんでだろ」
「へえ?」
どういうことだろう。
「なんか、おいしいのはわかるんだよね、嫌いな味じゃないし。だけど、食べたいなってならない。でも、食べたら食べたでおいしいなーって思うんだよね」
「へええ?」
面白いな、と思った。
「えー中野はそういうのないの?」
ある。
女の子が綺麗だったりかわいかったりするのはわかる。
だけど、別に興味はないのだ。
かわいい娘がそのまま、付き合いたい、にならない。
ああ、かわいいのはわかるけれど、ってなる。
おいしいなーになることはないけれど、その感覚はわかる。
だけど、そんなことを言うわけにはいかない。
「んーあるには、あるかな」
「どんなの?」
まあ、そりゃそうだな。
「好みの子ではないけれど魅力的な子を見たときとか?」
これなら、うまくぼかせた?
わかんない。
変なこと言ってないと良いな。
「あー確かにwわかるわーこれじゃないけれど、良さはわかる、みたいな?www」
「そうそうそう!!」
案外わかってもらえてほっとする。
さすがに、ゲイですとはいえないけれど、この辺なら嘘じゃない?
好きな人に、嘘はつきたくないから。
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