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混乱している僕をよそに、渋谷が話しかける。
「てことで、巻きたいからもうちょっと近づいてくれる?」
僕らの間は、30センチ。
これ以上もっと近づけと?
「ちょっとごめん」
え??
理解が追いつく前に、渋谷が僕の腰に手を回し、ぐっと引き寄せた。
え??????
は????
僕らの間は、0センチ。
渋谷がこんなに近くにいる。
僕の腰を触った。
そんなことに頭が沸騰する。
世界が薔薇色だといわれて、迷いなくうなづける。
まあ、付き合ってないんだけど。
多分、友達なんだけど。
多分、なんとも思われてないんだけど。
でも、薔薇色に見えるくらい、僕は幸せだった。
でもどこかで冷静な僕が問う。
渋谷はなぜ僕にこんなことをするのに抵抗がないのか?
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