クリスマスデート

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綺麗な緑色の包装紙を丁寧に開封すると、中からは綺麗な木製の軸の多機能ペンが出てきた。 ほら、赤とか黒とか青とか緑とかのボールペンとシャーペンがついてるのがあるじゃないか。 「うわっすごい!!綺麗なペン!!」 「だろ?使いやすいかな、と思って」 いつでも使えるし、とちょっとはにかんだように笑う渋谷のほうが、ペンよりも綺麗だと思った。 木目の美しいペンは、いかにも使い心地がよさそうで、いくつになっても使えそうだった。 「ありがとう、嬉しい」 自然とニコニコしてしまう。 だって。 一生もののペン、をもらえたんだ。 一生だよ? 消えない、思い出の証拠。 今日見たイルミネーションとか、誕生日のケーキとかは、消えてしまう。 もう見ることはできない。 だけど、ネズミーランドのストラップとか、このペンは、あの夢のような出来事を証明してくれるんだ。 実は今もポケットに入っているあのストラップの形が、より一層くっきりとしたような気がする。 形に残るものが欲しいのは、夢みたいな一日はあっという間に日常に埋もれて風化してしまうからだ。 幻想だったのではと、疑えてならない幸福の一日の証明なのだ。 ペン自体も嬉しいけれど、渋谷が僕にこれを選んでくれたことや、証拠が残ったことが嬉しくてたまらないのだ。
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