1539人が本棚に入れています
本棚に追加
/283ページ
「……わかった、帰ろ!その方がいい?」
帰りたくない。
本当はもっと、聞いて欲しかった。
なぜ泣いてるのか。
説明して欲しかった。
なぜ優しくしてくれるのか。
渋谷にとって僕はなんなのか。
だから首を振った。
いつもそこまで反対とかの意見は言わないけれど、聞きたかった。
「えー……っと」
やべえ、どーすればいいんだ?という声がモロに聞こえてこそうな顔つきで渋谷が僕を見る。
「帰った方が、いいんじゃない?大丈夫?」
気遣ってくれてるのもわかる。
でも、狼狽えてるのもわかった。
「聞きたいことがあってさ、聞いてもいい?」
渋谷は、なんて、返事をするんだろう。
最初のコメントを投稿しよう!