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学校が始まるのなんて待ってらんない。
一刻も早く、謝らなくちゃ。
僕は渋谷の連絡先を一つも知らない。
渋谷の家も知らない。
だからなんだ。
口実はある。
聞かなくちゃ。
まずは僕の友達に。
スマートフォンを開きメッセ-ジアプリを起動する。
いつものあいつらとのグループトークに急いで言葉を投げかける。
『あのさ、渋谷翔の連絡先って知ってる?』
しばらくして既読がついた。いつもはちっとも興味ない既読、のサインが今はとても気になってならない。
早稲田から返事が来た。
『なんで?』
『あいつの忘れてったマフラー、届けたくて』
『マジー!?俺わかるかも!』
落合だった。
わわわマジか!!
やばい、めちゃくちゃ助かる。
『あざす、マジ助かった』
『おう、がんばれよ!!』
え、何が?
まあいいか、今はそんなことにかまってる暇はないんだから。
『続報を待て!!』
『えー何?何が起きてんの?』
四谷、会話くらい遡ってくれ。
僕は今落ち着いてそんなこと言ってられる気分じゃないんだから。
『あ、遡ってくるわ』
自己解決かい!!
『そうしてくれ……』
はいっなんてかわいらしくカワウソが手を上げてるスタンプが四谷から送られてくる。
ああ、うん……。
なんか疲れた。
ベッドで大の字になってスマホ片手に目を瞑る。
睡魔に勝てなくなるまではあっという間だった。
疲れた。
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