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恐る恐る開くと、メッセージが目に飛び込んできた。 『ごめん。明日、時間があったら話したいことがあるんだけど、放課後空いてる?』 僕は、手短に返事を打った。 速い鼓動を打つ心臓とは裏腹に妙に冷静だった。 『空いてる』 『ありがとう、じゃあ放課後にな』 『うん』 一連のやり取りを済ませると僕はやっと頭を働かせた。 何を、話したいんだろう。 やっぱり別れ話だろうか。 ほっとしたような、寂しいようななんともいえない気持ちでベッドの上で寝返りを打つ。 一応、まだ、渋谷の恋人なんだよな。 今日が、最後かもしれない。 あと少し。 もっと。もっと長く、恋人でいたかったな。 ううん、いいや。 喜ばなくちゃね。 だって少しでも渋谷と恋人でいられた。 それだけで、十分、幸せじゃないか。 人は、一ついいことが起こると、どんどん貪欲になって、少しずつ欲深くなっていく。 幸せだったから、いいのだ。 うん、渋谷の恋人で、よかった。 涙が一粒溢れた。 でもそんなのは気づかなかったことにして電気を消して目を瞑った。 すぐに眠りの底に落ちていった。
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