イチャイチャ日和と誕生日

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思わず目を瞑った僕の頰に渋谷が手を添える。 チュッと軽い音がして、渋谷の唇が触れ、離れた。 たったそれだけなのに、なんだか永遠のようで、スローに思えた。 心臓の鼓動と互いの息づかいだけが、静かな空間に聞こえる。 ぱちっと目が合うと渋谷がにこりと溶けるように笑んで、また顔を近づけた。 次は、溶かされそうなキスをされた。 深く、渋谷の舌が入り込んで、僕の口を溶かす。 「っふ、あ……」 「……っは、かーわい♡」 別に綺麗でもなくて、可愛くもないのに。 耳まで朱に染めた渋谷が艶っぽく微笑む。 イケメンって、本当にむかつくくらいいい顔なんだから。 ……照れる。 「耳まで真っ赤ー」 「渋谷も」 「あはは、幸せだなー」 「ね」 甘ったるい時が流れる。 幸せな蜜みたいな甘々な時間。 思わず頰が緩む。 「あーかわいい、ほんと、好きだよ」 渋谷がそう言って僕の頰を弄ぶ。 「……僕も」 思わず素直にそう返すと、渋谷が豆鉄砲を食らった鳩みたいな顔して僕をまじまじと見た。 そしてあっという間にガバッと抱きしめられた。 恐る恐る、その背に手を回す。 「愛してる、一生、幸せになろ」 「……ん」 そのままぎゅーとしたまま離れずにいる。 離れたくない。 温かな渋谷の体が、これは夢じゃないと伝えてくれる。 なんだかほんわりとして、幸せ色の夢を見ているような、ふわふわして気分。 幸せすぎて、おかしくなりそう。
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