ハッピーエンドの定義(最終話)*

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イった。 二人で同時に白濁を吐き出し、荒い息をつく。 「…っは、」 射精後の余韻に浸る。 どくどくと脈打つ心臓が体に響く。 「続き、して大丈夫?」 渋谷に問われて、必死にうなづく。 続き、して。 そうかっすかすの声で囁く。 カサカサとして、聞き取れるかわからないくらい小さい声。 でも、渋谷はちゃんと聞き取ってくれて、嬉しそうに笑ってくれた。 「……優しくするけど、痛かったら、言って」 渋谷がいつの間にやら手にしていたローションを掌でねっとりと温めてから僕のあそこにその指を這わす。 渋谷の指が、僕の、そんなに綺麗じゃないところに、触れている。 それに、ものすごく興奮する。 「っふ」 感じたとか、そう言うのじゃなくて、興奮した。 燻る熱が、僕をじりじりと焦がす。 どくしよ、気が狂いそう。
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