ハッピーエンドの定義(最終話)*

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バカみたいに泣きじゃくりながら、扉のすぐ横の壁に寄りかかる。 全裸で寒いし、何より、どんどん冷静になっていく頭がマズいとこの状況を知らせてくる。 いくら、痛かったからってもっと言いかたはあったじゃないか。 今ので、きっと嫌われた。 酷いやつだと思われたのに違いない。 誘っておいて、できなかったじゃないか、と。 ……BLなんて所詮ファンタジーだ。 BLは悪くないけど。 だんだんと嗚咽が治まってきて、やっと戸の向こうに意識を向ける。 静まり返り、気配がしない。 ……どうしよう、絶対に嫌われた。 自業自得で、どうしようもなくて、涙が止まらない。 ごめん。ごめん。 ごめんなさい!!! 泣いたって、許してはもらえないのはわかってるけど。 図々しいのはわかってるけど。 嫌わないで。
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