おまけ2・渋谷は同棲がしたい

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図書館で、めっちゃ勉強したあとの帰り道を弘通と歩く。 「翔、英語いけそう?」 弘通に聞かれる。 先程まで、怪しいところを教えてもらっていたからかな。 俺の方が背が高いから、見上げるようにこっちを見てくる弘通は、こう、なんて言うの? めっちゃ可愛い。 夕日が綺麗だなとか疲れただとか、そういうのが全部吹き飛ぶんだよな。 弘通の顔を見ると。 「うん、多分行けるわ」 ここまで口にして、ふと悪戯心が湧いて弘通の耳元に唇をよせ、囁く。 「弘通のおかげ。ありがとな」 昔桃子に教わって実践してみた少女漫画譲りの技。イケメンだから翔ならいけるって言われたんだよ。 そしたら弘通がいい反応でさ。 ……つい、やっちゃうんだよな。 耳元で囁くやつ。 きゅんきゅんするらしい。 してくれてるといいな。 多分してると思ってやってる笑。 心なしか、ほんのり赤くなった弘通の頬をつつく。 ……かわいい。 「うるせぇ」 思わず声に出てたみたいで、うるさいって言われた笑。 ……そういう所も可愛いんだよなー!! 心の中で盛大に惚気けてると、思わず頬が緩んでたみたい。 弘通が小さく「イケメン……」とか何とか呟いているのが聞こえたから。 気がついてないよなー多分。 弘通ってさ、ちっさい声で本音を言ってるんだよね笑。 それがもう、可愛い!! 好きって聞こえた時は悶絶級だったなぁ。 ほぼないけどね。 レア中のレアだから。 1回?しか聞いたことないかも。 あれはマジでやばかった。 あ、やべ。 脱線してたわ。 久しぶりの生弘通だからもっとイチャつきたいけど、アレ言わなきゃ。 「弘通、あのさ」 「なに?」 怪訝そうな顔をされる。 声のトーン変えたからね。 あああ、怪訝そうな顔も可愛いなおい。 ……冷静に冷静に? 「前に、大学生になったら一人暮らしするって言ってたじゃん?」 「うん」 落ち着け。 息は吸ったな? よし、声にしろ。 「一緒に住まない?」 「へ?」 あ、出ました。 予想してなかった時の弘通の口癖。 へ?っていうのマジ可愛いわ。 「……は?どういうこと???」 困惑という字で顔を埋めつくしながら俺に説明を求めてくる。 マジ可愛い。 「同棲って言うの?あれしよーぜ?」 やっと脳に届いたのか、真っ赤になった。 案外ならないんだよなー。レアレア。 心のシャッターをありえない速度で切りながらにっこりと微笑んでみせる。 そしてダメ押しに。 「……ダメ?」 いいよって言ってくれていいよ全然。 へいかもん!! 「……ちょっと考えさせて」 困った顔をした弘通に言われてしまう。 はーー。そうだった、ノリで真面目な話に頷かないんだった。 ……そういう真面目なところも好きだわ、ホント。 「わかった」 「……ん、ごめん。えーと、今週末までに返事する」 弘通に謝られて、謝らなくていいよ、と返す。 謝らせたくて言ったわけじゃないからさ。 そこはありがとうがホントは嬉しいんだけど笑。 まー、弘通のありがとうはレアだからな。 仕方ないな笑。 はーー今日も可愛い。 マジ大好きだわ。
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