おまけ2・渋谷は同棲がしたい

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え、ふーんて何!? こわ!!! え、怖いんだけど。 何? そんなことはさすがに顔には出さないよ笑。 弘通を不安にさせたかないからね。 ……いや、多少は出てるかも。でも笑顔だけは絶やさないから。 絶対。そこだけは譲らない。 今日は、絶対に笑顔をキープしてようと思ってるから。 ……緊迫した数秒の後、おじさんが急にキョトンとした顔をした。 あ、こういう顔、弘通に似てるな……。 「あれ、僕、いいよって言ってない??もしかして?」 は? いや聞いてねえよ?? すっとぼけてるとこあるんだな!? 「あはは、言ってないわよぉ〜もう、浩一さんたら笑」 おばさんが笑いながらおじさんの肩を叩く。 は?まじ今のなんだったの?コント? 「ふふふ、そういうことよ。渋谷くんは親御さんに許可とってるわよね?」 「あ、はい!もちろんっす!」 「じゃぁ、弘通をよろしくねー」 え、何普通にいい人達じゃん?? 「ありがとうございます!!」 ……一連のやり取りを聞いていた弘通に入っていた力が抜けたのを察する。 よかった。 マジで最後のとこ意味わかんなかったけど、OKってことなんでしょ? マジ良かった。 いくつか、約束はした。 どちらも希望校に受かることと、病気や怪我をしたら連絡を入れること、弘通の親御さんが俺の親に挨拶しに行くこと。 これがOKなら、好きにしていいんだとか。 ひとしきり笑いころげたおばさんに「勉強しに帰りなさい」と唐突に言われて、俺を送るように言われた弘通と道を歩く。 滞在時間は30分に満たなかった。 ……それでも、気分の落差がすごくて、案外疲れた。 公園を見つけて、それまで無言で横を歩いていた弘通に声をかける。 「公園、一瞬付き合ってよ」 「ん」
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