おまけ4 ダブルデート!!

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ベンチにそっと座らされると、珍しく不機嫌そうな顔の翔が僕の顔を見て、話し始めた。 と言うかもはやこれは説教だ。 「弘通、なんで言わなかった?調子悪くするって言われてたら乗らないし、そこまでのこだわりとかないから他に行くのに。心配するから、そういうのは言って。マジで」 「……ごめん」 「はぁ……」 「ごめんなさい……」 険しい顔で翔が怒る。 そういう顔も、格好いいなと思う。 でも、それ以上に、怒らせてしまったのが怖くて、ひたすら謝り続ける。 その間に体は回復していっている感じがする。 「……謝って欲しいんじゃ無くてさ」 「?」 「今後、どうするのか言って?俺は言ってくれなかったことが嫌だったし、心配した。お互い、楽しみたいし。そういうのはマジで言って?」 はっとした。 怒られてる、と思ってた。 でも、きっと今のは叱られてた。 今後、僕は。 「……今度から、まずいやつとか、無理なやつはちゃんと言う。言わなくて、ごめん」 「……うん」 僕がちゃんと言うと、翔はやっと笑ってくれた。 よくできました、そう囁かれ、どきりとする。 ……一瞬、ベッドの中でのことを思い出した。 あぶねー。 「はい、これでおしまい。空気悪くしてごめん」 そう翔が桃子ちゃんたちに向かって言うと、少し離れたところで見守ってくれていた二人が近づいてくる。 と思ったら、桃子ちゃんがけらけらと笑いだした。 「っふ、あっは、あはははははははははは、マジめっちゃガチでお説教してたねw」 「なw」 釣られて上野が笑いながら頷くのを見て、翔も吹き出す。 「それなw自分でも思ったわwww」 僕もその台詞に思わず吹き出してしまい、四人で笑い転げる。 アトラクションそっちのけで爆笑する僕らを不思議そうに見ながら通り過ぎる通行人さえもが面白くて、余計にみんなで笑ってしまう。 楽しいな、来てよかったな。 そう、思った。 まだ、昼前なんだけどねw
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