おまけ4 ダブルデート!!

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「え、大丈夫?もう帰らなくて平気?」 そう翔に心配されながら回復した僕は笑顔でピースサインを送ってみせる。 「平気、復活したから」 「そ?ならいいけど」 「え、じゃあどこ行くー?」 桃子ちゃんが可愛く聞いてくる。 上野が後ろで桃子ちゃんにバレないように悶えているのを横目に、にやけないように気をつけながら考える。 「早いけどさ、お昼にしちゃう?それともその前にジェットコースターとか行く?」 なぜか僕がしきり役なんだよな。 別段しっかりしていないのに。 そう思いつつ、みんなに聞く。 「はいはーい、私ジェットコースター乗りたいー!…ねっ?」 最後のねっ?を上野に向けてやってみせる桃子ちゃんがあざとかわいい。 こういうのがモテるんだろうか。 「翔は?」 「俺も乗りたいかな、弘通平気?」 「平気、むしろ好きだから楽しみ」 「じゃぁ決まりかな、上野ー?帰ってこーい」 ねっ?の可愛らしさに死んでいる上野に翔が声をかけるが効果がない。 まあ、ジェットコースターに乗るということで大丈夫だろう。 ジェットコースター乗り場の方へと四人で向かう。 桃子ちゃんと上野が自然に手を繋いでいるのを見て少し羨ましくなる。 そのとき、ちょっと寄ってきた翔がしれっと手を繋いだ。 バレてた? てかそれ以前に、人前!! 「ね、ひ、ひとまえ……」 「別にいいでしょ。周りに迷惑かけてないし」 「……」 どきどきばくばくと心臓の鼓動がうるさい。 それでも僕は、繋いできた翔の手をしっかりと握り返した。
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