おまけ4 ダブルデート!!

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翔と手を繋いだまま、白昼堂々と歩く。 夢のようで、嘘のようで、ちょっとふわふわする。 どのくらいの強さで握ったらいいんだろう。 手汗とか、大丈夫だよね? そわそわと握る強さを変えてみたりチラチラと翔の顔を見てしまう。 反応とか、気になるじゃん。 いや、だってさ。 うん。 3回目、4回目。 数えるのは諦めたけど、また見てしまう。 耳が赤くなっていて、ちょっと嬉しくなる。 照れてくれてる。 たかが手を繋いだだけだけど、それでもドキドキして、落ち着かなくて、気になるし、……慣れない。 ジェットコースター乗り場にたどり着き、四人で並ぶ。 手はそっと離れていった。 ちょっと寂しいけど、みんなそうだし、そんなもんなんだろう。 また、繋いでくれるといいなと思いつつ待ち時間を確認する。 割と並んでる。 えぇと、50分待ち……かな。 結構長い。 でも、このメンバーならあっという間な気がする。 「50分待ちだってー!」 桃子ちゃんが言うと、上野が眉をしかめる。 「乗らなきゃダメか?」 「だーめっ!」 桃子ちゃんが胸の前でばってんを作り小首を傾げる。 それを見た上野が頭を抱えた。 わかる、好きな人だったらなお可愛いいよな。 ふーん、てことは、そうか、ああいうのが可愛いのか……。 思わずその仕草を真似てばってんを作り小首を傾げてみてから、流石に僕は可愛くないなと一人首をふる。 視線を感じて横を向くと翔が真っ赤な顔をしてこちらを見ていた。 「俺のひろみちかわいい……」 「へっ?あ、」 これは、違くてと言い訳しようにもうまく言えず、僕は僕で悶える。 いや、え、そこじゃない。 大事なのは。 今、翔、僕のこと「俺の弘通」って言った!?!?
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