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思わず翔の顔をばっと見ると、がっつり目が合う。
熟れたトマトの頰で口を掌で抑えている翔を見て、思わずにやにやしてしまう。
女の子みたいな可愛い仕草なのに、イケメンがやると格好いいのはなんでだろう。
いいリアクションだなぁ。
格好よさに惚れ直しながらじっとその表情を堪能する。
昔はもっと赤面してくれてたのになぁ。
最近減ってきちゃったから、ちょっと嬉しかったりする。
そもそも、俺の、って思ってくれちゃってることが嬉しい。
そうだよ、僕はお前のもんだよ。
……言ってやらないけど。
「…やだぁ、この人たちまたイチャイチャしてる〜」
桃子ちゃんが茶化してきて、僕は軽く手刀をその頭に落とす。
「うるさいっ」
「もーー照れちゃって〜」
「ああ〜黙っててっ」
そんなやりとりを僕と桃子ちゃんがしていると、上野と翔が囁きあっている台詞がふと飛び込んできて、桃子ちゃんと二人、撃沈する。
僕らがへなへなとしゃがみこんだのを見て、二人が楽しそうにくすくすと笑うのが聞こえる。
もう……。
「こういう感じで、二人が楽しそうに話してんの可愛いよな」
「わかる、まじ愛おしい」
「それな」
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