おまけ4 ダブルデート!!

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「えーーっ、なに中野さんも翔もカレーなの?」 「「外れないから」」 桃子ちゃんへの返事が翔とかぶる。 きゃあっと何やら盛り上がる桃子ちゃんをみてじわりと嬉しさが湧き上がる。なかなか、口調的にも台詞がかぶることなんてないのに。 あと、カレーは美味しいし、……翔とネズミーランドで食べたのもあって思い出深いし、好きなんだよ。 「上野くんってばもう!なんでサラダだけなの!私の方が食べてんじゃんっこれ食べなさい!」 桃子ちゃんのぷりぷりと怒る声を聞いて上野のトレーを覗き込むとサラダだけ。 女子かよ。 対照的に桃子ちゃんのトレーの上はてんこ盛りにこれでもかと食料が積まれている。 ……そんなに食べる? ま、まあ成長期だもんね、うん。 上野に桃子ちゃんが無理やり手渡したのはカツサンドだった。 待て待て、横にあるのチキンサンドだよな? その後ろにあるのはパスタに見えるんだけど……。 考えないことにしよう。 そう思っているとひょいと翔がチキンサンドを取り上げた。 なにすんのと威嚇する桃子ちゃんを見て思わず笑いがこみ上げる。 翔がそのままあっさりとチキンサンドを平らげる。 「さんきゅ」 「っもー!今度から自分で買ってよね!」 そういいつつもしゃもしゃとパスタを食べる。 もしゃもしゃが何故かぴったりで、不思議だ。 「そういやさ、もしゃ、中野さんと、んぐっ、同棲すんだって?」 「へぁ!?」 思わず首筋を触られた受けのような声をあげてしまい一人恥ずかしくなる。 でも誰も気がつかなかったようでほっとする。 「そ」 翔が簡単に答える。 するとそこでサラダを無言で頬張っていた上野が口を開いた。 まだカツサンドには手をつけていない。 「ベッドはひとつ?」
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