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お礼を言うことが増えてしまった。
そんなわけでいざ、出陣である。
「あ、あの、渋谷……」
「渋谷くん!!」
まるでハートマークでもついていそうなセリフ。
そう、クラスの可愛い子代表、青山くんである。
普段なら涎をたらしてウヘウヘとこっそりガン見していたことだろう。
だが今は違う。
青山くんに爽やかイケメンスマイルをプレゼントする渋谷を見てイライラする。
そんな権利なんてないのに。
「それでね!今度!」
キラキラした笑顔で“今度”の話をする2人を見ていられなかった。
僕は教室をそっと出た。
涙が堪えきれず廊下に落ちたが、気にするものはいなかった。
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