おまけ4 ダブルデート!!

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「俺も、もっともっと、好きになった。大好きだよ、弘通」 翔がちょっと照れたような顔でキラキラと言ってのける。 さすがに真っ赤にならざるを得ないだろう。 これは。 そのまま、吸い寄せられるようにお互い顔を寄せる。 翔の手が僕の頬に添えられ、二人の唇が重なる。 そのまま離れていくかと思ったら、案外長く続く。 「っふ、んぅ」 こんな可愛い感じの吐息が漏れ出て、思わず慌てる。 なにせ可愛くなんてちっともないような声で。 「っふは、かーわい」 それなのに可愛いなんて言ってくれちゃう翔がいて、幸せを噛みしめる。 ふっと外を見ると僕らを乗せたゴンドラは丁度てっぺんを超えたあたりだった。 ということは、てっぺんぴったしの時にキス、してたことになる。 そう気がつくと、ささやかにイケメンな行動にドキドキしはじめる。 翔も、同じようにドキドキしてたら嬉しいな、なんて思う。 そう思ってそっと隣に座る翔の方に頭を乗せる。 すると、翔のふっと笑う声がかすかにした。 気にせず目を瞑っていると翔に髪をくしゃくしゃと撫でられてしまう。 心地よい。 しばらくそのままで二人きりを堪能する。 溶けてしまいそうなほど甘い空間。 それにもやっぱり終わりはやってきて。 「ほら、もう降りるよ」 そう声をかけられて名残惜しいけど素直に頭を持ち上げる。 髪を整えていると係のお姉さんが近づき、ドアが開く。 先に降りていた桃子ちゃんたちに合流する。 もう、帰るだけだけど。 おうちに帰るまでが、ダブルデートです。 なんちゃって。
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