罪悪感

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そこには、赤い顔をした渋谷がまじまじとこちらを見ていた。 え。 ええ? えええ!? 「もしかして、熱あんの?」 うつす……ほどのものでもなかったはずだけど風邪うつしたか?? 「え、え?いや??なななないよ?」 「マジ?」 「マジ」 ならそれでいいんだけど。 本当に熱はないといいんだけど。 勇気があれば、純粋であれば、きっと渋谷の額を触って体温を測れたのだろう。残念ながら僕にはできやしない。 好きな相手に。 下心なく。 触るなんて。 「と、とにかくありがとな。で、礼になんか奢らせろ」 ああなんて可愛げがない。 せめて可愛く言えたなら! そうしたら、少しは。 いいや、な訳ない。 あいつには彼女がいるんだから。 僕の心はざわめいていますが、渋谷には気づかれないように。 そう心に念じる。 「え、いいよそんなん」 ですよね! あわよくば2人っきりで遊びに行けるとか期待した僕が悪かった!! でももう少し。 押させて。 「いいよいいよ。僕がお礼しないと気が済まないだけだから」
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