罪悪感

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「……わかった。じゃあいつ行く?」 マジか。 あああホントいい奴。好き。 「……休みの日とか?」 欲を。 出させてください。 断られたっていいから。 1%の可能性にかけさせて。 「いいよ。今週末は?」 うわああああああああああ。 マジか!マジか!! デート!デート!! 当然顔には出すまい。 歓喜してる脳内は花畑においてきて、教室の僕はしれっとした顔をする。 「何時?」 「11時。昼奢ってよ。そしたら午後あそぼーぜ?」 はわわわわわわわわわ。 午後!!飯だけじゃない! ひゃっほーう! 花畑はとてもうるさいですが、しれっとした真顔はやっぱりキープ。 無理無理。 この顔で乙女みたいな顔してもキモいだけだもん。 いや「もん」って。 無いわー。 引くわー。 「どこがいい?」 「好きなとこでいいよ」 は? イケメンスキルは美人にでも使っとけ! モヤっとするけども! なんの意味のないサービスがどれだけ痛いかお前は知らねーだろ! 「いや、特に……」 渋谷と行ければどこでもいいからね。 それに。 僕ごときをどこに連れて行くか気になる。 デートスポットとかなら最高だけど。 そんなもんは鼻から期待しない。 せいぜい駅前のゲーセンとかだろうか。 そしたらいかにもイケメンの行かなさそうな店に連れてこう。 「えー。どこ行きたいか気になってたのにな」 知るか! こっちが知りたいんだっつーの。 いつもどこ行くとか。 休日何してるとか。 か、彼女とどこ行ったのかとか。 「じゃあそうだな……」
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