罪悪感

6/6
前へ
/283ページ
次へ
「三択な。ABCどれか選べ。そこ行こうぜ」 え。 ええーい、ここは直感だ! てか三箇所も候補あんの? 「いいけど、最後どれがどこだったか教えろよ」 実は一箇所一択でしたとかはなんか嫌だから。 「いいよ!さあ!」 「B!」 「え」 え? な、なにまずいの引いた? え。ねえ。 なんとか言えよ。 「じゃあ、ネズミーランドな」 「はああああああああああ!?」 ななななななななななななななななんでそうなった!? はああああああ!? 行くなら彼女と行ってやれよ! 何何何何冗談!?夢!? そしたら一生起きなくていいわ! ああああああ。 「あははめっちゃ慌ててやんの」 「え、いやだって!ね!?」 女子の目線は案外冷たくはない。 おそらく冗談だと思われている。 事実冗談だ。 タチの悪い。 「まあまあいいよ。入園料は俺が払うよ」 ピキリと空気が凍った。 「いや待ってこれ冗談だろ?」 「違うよ?Aがゲーセン、Bがネズミーランド、Cが近所の公園」 センスねえな!近所の公園って! てかマジで三分の一でネズミーランドだったんだ!? 「いやいやいやいや。やっぱAで」 「いや今更はないでしょ。はい今度の日曜ネズミーランドな」 「ならせめて入場料は自分で払う」 「ああ、うん。わかった。待ち合わせこのままでいい?」 「うん。あ、飯、園内にするか」 「そうする?いいけど」 「じゃ、それで」 女子の目がどんなに怖くとも、嬉しくてたまらなかった。 デート。 しかもめちゃくちゃ王道デートスポットで。
/283ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1539人が本棚に入れています
本棚に追加