ネズミーランド おまけ

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そういえば、書きそびれていたことがある。 なんということはない話なのだけれど、僕にとっては嬉しかった話。 ネズミーランドといえば何か。 そう、お土産である。 異論は認めるが。 渋谷は、いつもつるんでいる連中に渡す分の適当なキャラクターもののペンのセット以外にも土産を買った。 なんと、僕にである。 さすがに、びっくりした。 リア充というのはこんなもんなんだろうか。 さりげなく買ったらしくて気が付かなかった。 あの観覧車の中で、しれっと渡してくるものだから、余計に。 そう。 ドキドキしたのだった。 しかもそろいのストラップときた。 完全に惚れ直した。 このイケメンは心でも読めるのだろうか。 しかもあひるのカップルのを二人で分けたのだった。 せいぜい、リスの仲良しかと思った。 カップル、だったから。 余計に、意味があったらとそわそわしてしまったのだった。 僕は女の子のほうをもらった。 今度から、制服のポケットに忍ばせておこうと思う。 握りしめて寝たことは、誰にも言うまい。 死ぬほど幸せだった。
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